高度経済成長とともに核家族化が進んできた日本。現代において新たに問題となっている少子化問題。地方に比べて都市部においてはその傾向が顕著に現れています。特にベッドタウンとして発展してきた町田市・多摩市など以前は「ニュータウン」と呼ばれもてはやされていたきた街が地域によっては高齢化が進み、不動産処分が難しい問題が出てきています。
先代の築き上げた財産である不動産を引き継ぐ子供達や、高齢者が選択する方法は「換金処分」。そのきっかけとなっているのが「相続」であり「子供との同居」であり、そして本人の希望による「施設入所」などであります
長年大手不動産会社にて数多くのケースを経験し、実際にその対応、あるいは問題を解決しコンサルティングを実務として参りました私が「事例に基づいた相続不動産および後見人売却の進め方」を説明して参ります。
 

まずは今後の社会において無くてはならない制度「成年後見制度」について考えてみましょう。

               法務省のホームページ http://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html


 

成年後見は大きくは2つあります。

「法定後見制度                                                       

家庭裁判所によって選ばれた成年後見人が、本人の利益を考えながら、本人を代理して契約などの法律行為をしたり、本人が同意しないでした不利益な法律行為をあとから取り消したりすることで、本人の保護・支援をします。

解りやすく説明すると、この場合は親族が同居していたり、近隣にお住まいであればその親族が後見人になるケースとして利用されます。一般的には認知症を患われた親御さんのために、同居するお嬢さんがなるなどのケースです。                                                             認知症の親御さんが保有する不動産を処分する場合などは、裁判所の許可を経て売却が可能になります。

「任意後見制度」

 任意後見制度(は,本人が十分な判断能力()があるうち,将来,判断能力()が不十分な状態になった場合に備えて,あらかじめ自らが選んだ代理人()()に,自分の生活,療養看護()や財産管理に関する事務について代理権()を与える契約公証人()の作成する公正証書()で結んでおくというものです。そうすることで,本人の判断能力()が低下した後に,任意後見人()が,任意後見契約()で決めた事務について,家庭裁判所()が選任する「任意後見監督人()」の監督のもと本人を代理して契約()などをすることによって,本人の意思にしたがった適切な保護・支援をすることが可能になります。

この場合は、法定後見と違い「本人の意思」で決めて置くところにあります。ご親族が近隣にいらっしゃられない方が老人ホームに入所される時などには、行政書士・司法書士・弁護士等に事前に依頼しておく方が多いようです。ようするになにかあった時のために手配しておく制度です。

 

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      【事例】       町田市学園都市でのケース

  学園都市?といえば町田市在住の方であればすぐにお分かりになられると思います。
大学と文教地区の街で大変人気のある街ですが街つくりの経緯が経緯なため、富裕層の方が多く、大きな土地を所有されている方が多いのが特徴。
それだけに学生向けのアパートを経営される方々も多いのですが、このケースはアパート経営されているお母様。以前も所有地の一部売却を預かった経緯があります。
相談の内容とは、

  1.母親が認知症という診断を受けた。
  2.施設に入所したがその資金が不足気味なので、現金を入手したい。
  3.アパートを処分する

  上記の用件。まず最初に所有者確認。所有権がだれにあるのか法務局にて確認。お聞きした通り土地がお母様、建物がお嬢様名義。
続いて推定相続人の確認。(お母様になにかあった場合に相続権があると思われる人)これは聞き取り段階で他に1名いることを確認。

  今回の場合、後見人として立って頂くのはこのお嬢様。推定相続人全員の了解を取り付けと同時に、不動産売却が前提ですので登記費用を安くあげるため司法書士に手続きを依頼。
  ◆財産目録等必要な書類作成は任せて私はアパート賃借人への事情説明
  ◆アパート自体の老朽化が進んでいるため、収益不動産としての価値は土地の単純売却価格以下と判断。半年間の猶予と転居費用負担で快く皆様転居の承諾を取り付け。
※退去交渉は順序とこちらの対応次第で大きなトラブルになります。どんな不動産業者でもできる訳ではなく、ある程度のスキルと人間性が大切になります。

  土地の規模も大きかった関係で裁判所に手続きを行っている間に、大筋の買い先に下交渉(この場合、一番高い値段が払えて、且つ裁判所の許可を待てる建売事業者という選定条件。)を行い、裁判所の後見登記待ち。
登記完了後、翌日下交渉ですませておいた約定でお嬢さんと事業者の間で売買契約。その後司法書士が裁判所に売買契約書を持ち込んでもらい、許可申請完了。
裁判所の許可とアパート住人の方すべて退去確認後、残代金支払いと所有権移転完了。あとは翌年の申告をしっかりするよう机上の税務計算をアドバイス。
最終的には税理士の手配を依頼され、手続きになれた税理士をご紹介。

 このケースでのポイントは、不動産売買契約書の備考欄にきちんとした「金額の割り振り」を記載することにあります。
建物の値段(時価評価額と借地権設定がある場合はその値段も)と土地の値段をしっかり記載することで、裁判所の許可をスムーズにします。
大手不動産会社の作る契約書は、極力当事者に負担が回せるように無用な文言は入れません。そのため無用なトラブルを「自己責任」として負わされることになります。
最近では後見人の方がお金の割り振りをしっかりせず売却し、金銭搾取として親族から訴えられるケースや、場合によっては窃盗・詐欺等の刑事罰に処せられたケースもあると聞きます。

 


       

 


 

       続きまして相続と不動産売却について考えて参りましょう。  

         

 

     相続は代々受け継がれてきた先祖の資産であったり、自分の両親が頑張って働いて築き上げた資産を自分の子供や配偶者に譲り渡す制度です。
制度と表現するのは、もし国が「その人が亡くなられたらすべて国有資産として納付して頂きます」という法律があればその通りになる訳で、事実一定額を超えた相続額(不動産の場合路線価などの評価額)に対しては課税されます。そこで、相続税が発生するほどの資産のある方は、生前から何らかの形で相続税対策をおこなう訳です。

近年流行の対策としては、「タワーマンション」を購入しておくなどが人気です。
タワーマンションの場合、特に高層階は所有者が住まず賃貸契約で住まわれている方が多いという現象があります。
タワーマンションは人気があり、高額取引されることもその理由のひとつですが、土地面積が小さいため、相続税の課税基準価格が大変お安くなる訳です。でも実際の取引額は高額なため、相続税を抑える事が可能なのが人気の理由といえます。

相続財産の処分は大変気を使いますビジネス優先の大きい不動産会社は、「お金」の話とか「所有権」が誰にあるかなどの話ばかりで、肝心のところに欠ける場合が多いのも実情です。元を正せば「故人」のもの。私の場合、必ずご焼香のひとつもあげさせて頂いてからお話を始めさせていただいておりましたが、ひどいケースですと、葬儀中に「査定に来ました」などという大手不動産会社もあったという笑えない話もあるぐらいです。
まずは「礼儀」をわきまえる程度の教育をして頂きたいものです・・・。
逆に相続人の方がご売却後、家財処分のときに仏壇を捨てたなどと言うケースもありましたが、すぐにお墓参りに行ってご報告差し上げるようお勧めしたこともあります。

            

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薀蓄(うんちく)はこのくらいにして・・・早速事例に入りましょう。

 

 

 

  

  【事例】      町田市某所でのケース



最初は中古住宅の査定のご依頼を受け、早速現地まで雨の中確認のために参りましたところ、そこには「林」。 よく見てみると、奥に一軒の家が建っています。少々怪しげな雰囲気がありましたのですが、依頼者の方からご了解いただいておりましたので敷地の中へ。
鬱蒼とした建物を取り囲むように竹がのび、家の中に入れるような状態では無かったのですが、よく見ると建物はそんなに古くない様子。依頼者の方はご近所にお住まいでしたので、現地に来て頂いてお話を伺うと、3年ほど空き家にしている父親の家との事。
お亡くなりになられて手付かずの状態であるとのことで、せっかくの家が部分的にひどく傷んでおります。

そのままにされていた理由が、名義が父親のままであること。そして裕福な地主様ということもあり、遺品整理の面倒さも手伝い取り合えずそのままにしておいたとの事。
一応ご親族のなかではこの方が引き継ぐことでお話はついているとのご説明。
しかし・・・なにやら経験と感とでもいいましょうか。私の中で違和感が感じられます。
取り合えず、相続登記がされてないのであれば遺産分割の協議が済んでいるか確認すると、まだである様子。先述にも書いてある通り、まずは「故人」にご焼香をさせて頂くようお願いさせて頂いたのですが、仏壇は長男の家にあるとの事で拒絶されるのでおおよそ親族間の関係が推察できます。

日を改めて査定価格のご報告をさせていただく旨ご了解頂くと同時に、そのご長男にもご挨拶させていただく事のご了承?(しぶられていましたが・・・)を頂き当日は終了。
翌日早速ご長男のもとへ。

やはりと言いますか、案の定ご長男に経緯をお伝えしたところご立腹。
ご長男は他の不動産を相続される前提でそちらの管理をされていたのですが、現地にご同行願い確認して頂くと、そのひどい状態に呆れ顔。その日の夜にご兄妹は電話にて大喧嘩になられたようです。
特別告げ口をする目的ではなく、登記が完了していない以上あくまで「推定相続人」になられる方でもありますので、その方のご了解無しではこちらもなにもできません。
結局、父親がその家の建築費を銀行から借り入れされているのが事前調査の段階でわかっておりましたので、速めに相続登記を行うことと銀行に申し出る事をお勧めして差し上げました。
本来この家は妹様に故人が同居を条件に「建ててあげた家」であることがわかり、そのお金を妹様が支払っていた様子ですが、その片付けが面倒くさく思い、別の家を他の土地に建ててほったらかしというのが事の顛末。うらやましいやらあきれるやら・・・・・。

不動産会社によっては相続登記を未了のまま、相続人の連名で売却契約をさせて引き渡しまでに相続登記をする旨の契約書で売買を進める会社がありますが、その間になにが起きるか解りません。それはあくまで不動産会社の都合です。そのような持ち掛けをする不動産会社には取引を依頼しないほうが無難です。リスクの管理はすべて相続人任せのスタイルであることは間違いありません。

違法ではないのですが、必ず登記が完了してからが基本です。

相続登記もお兄様は促していた様子ですが、これまた面倒で生返事ばかりだったそうですが、さすがにその家の支払いと現在の自宅の支払いが大変な様子で、ご両名の了承を頂き相続登記を行いました。
銀行にもその旨お伝えし、売却時一括弁済前提で売却の了承取り付け。
結局は個人のお客様は少々抵抗があるようで、ご購入頂ける方もでてこられないので土地としてご売却を行い。取引はすべてを完了。

この時は、不動産の価値を出来るだけ上げるために、前面道路(これも相続対象)を公道に移管する手続きを私の方で行い(他私道所有者の了解取り付け)、私道ではなく公道に面する土地であること。そして事前に林の伐採と建物解体を事前に行うことで、すっきりとした物件にして売却をおこないました。
結果的に他の隣地所有者の方々にも大変喜んで頂けたのは言うまでもありません。

 今回のポイントは、しっかりとした状況把握につきます。相続問題は場合によっては親兄弟であっても裁判沙汰にもなるケースが多い事を念頭に。余程の事情が無い限り「法定相続」を基本にお話合いを。特に配偶者の方などにはお話に参加する事ご遠慮頂きましょう。
それとお話し合い(遺産分割協議)と登記お早めに。一般的には故人の49日の法要が終わった後であれば、然程無礼なお話ではありません。処分に取り掛かる場合は登記が完了してあっても、他のご親族のお気持ちも考えて必ずご相談をしてからに致しましょう。

 

 

 

 

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